意外と知られていない「ダイヤモンドの輝き=カット評価」

ダイヤモンドの4C評価。カラット、クラリティ、カラー、カット。この中であまり重要ではないのでは?と思われがちなカット評価。実はダイヤモンドの輝きを生み出すために重要な工程なのです。

カット評価の基本について解説します。

この記事でわかること

  • カット評価とラウンドブリリアントカットの関係
  • ラウンドブリリアントカットが生まれた歴史
  • 婚約指輪で重視される3EX、ハート&キューピッドとは?

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ダイヤモンドのカット評価とは

ダイヤモンドの4Cのうちカット評価について解説します。

ダイヤモンドはなぜカットするのか

ダイヤモンドの原石を見たことはありますか?

多くのダイヤモンドの原石は、写真のような8角形をしています。(これはダイヤモンドが等軸晶系という結晶系の鉱物であるからなのですが、詳しくはまた別途解説しましょう)

原石の状態では、まだ美しいと感じる状態ではありませんね。カットとは、人間が唯一、ダイヤモンドの輝きを引き出すために関与できるプロセスなのです。

カットを施すと原石のダイヤモンドがここまで美しく輝きます。

動画はジュエリーハマジマさんが紹介するラウンドブリリアントカットのダイヤモンド。

ダイヤモンドのカット形式には、最も有名なラウンドブリリアントカットのほか、ハートシェイプカット、プリンセスカット、エメラルドカットなど様々なカット形式があります。

ここではラウンドブリリアントカットについて解説します。
 

ラウンドブリリアントカットが生まれた歴史

ラウンドブリリアントカットは1919年にベルギーのマルセル・トルコフスキーが、数学的に最もダイヤモンドが美しく見えるカット方法を計算し生み出されました。

鉱物には、固有の屈折率がありますが、ダイヤモンドの屈折率は2.417です。

ダイヤモンドの上側(「クラウン」と呼びます。)から入った光がダイヤモンド下部(「パビリオン」と言います。)を反射してすべてクラウン側から抜けるように角度やサイズが計算されたカット方式なのです。

2.417という屈折率は他の宝石と比較しても非常に高いので、ダイヤモンドに入射した光がもれなく跳ね返り輝きを生み出すことができるのですね。

ちなみにルビーやサファイアなどのコランダムは1.770-1.762、エメラルドやアクアマリンなどのベリルは1.558-1.550(産地等により異なります)とダイヤモンドと比べて低く、これらの宝石をラウンドブリリアントカットにカットしても、ダイヤモンドのような輝きを得ることはできません。

そのため、熟練の買取店ではぱっと見ただけでダイヤモンドの類似石は判断できてしまうこともあるんですよ。

1919年にマルセル・トルコフスキーがラウンドブリリアントカットを考案する以前も、似たようなカット形式はすでに登場していましたが、数学的に計算されて発表されたのはこれが初めて。

ラウンドブリリアントカットが登場して以来、ダイヤモンドの定番のカット方法として人気を誇り、現在まで続いているのですね。

ちなみにラウンドブリリアントカットのことを宝石業界では「アイデアル・カット」と呼ぶこともあります。

ラウンドブリリアントカットは丸ければ良いわけではない

ラウンドブリリアントカットはパッと見ると丸い形をしていますが、数学的に考案されたカット方法なので、しっかりと数値が決まっています。

参照:エタニティ

理想的なラウンドブリリアントカットに対して、直径が大きく浅くカットされたダイヤモンドや、直径が小さく深くカットされたダイヤモンドは、入射した光がパビリオン側へ抜けてしまい、ガードル(ダイヤモンドの淵の部分)が映り込んで見えたり、ダイヤモンド全体が暗く見えたりするなど、ダイヤモンドが美しく見えません。

理想的なラウンドブリリアントカットにしたいところですが、ダイヤモンドの原石から理想的な形にカットする際に削り取られた部分ももちろんダイヤモンドです。削り取る分、ダイヤモンドの重さであるカラット数が減ってしまいますし、なるべく大きなダイヤモンドにカットしたいですよね。ダイヤモンドカッター職人は、こうした原石からのカット効率(「歩留まり」と言います。)の確保に悩みながら、カットしていくそうです。

こうした事情もあり、ダイヤモンドのカットは、ダイヤモンドの美しさに多大な影響を与えるため、4Cの一つとして評価されるのです。最も美しいから、Exellent,VeryGood,Good,Fair,Poorの順に評価されます。

カット評価はラウンドブリリアントカットに対してのみ行われる

4Cのうちカット評価が行われる石にはいくつかの条件があります。

そのうちの一つに「標準的なラウンドブリリアントカットであること」という項目があります。

カット形式はラウンドブリリアントカット以外にも様々な形(ファンシーカットと呼びます)がありますが、カット評価を行うのは、ラウンドブリリアントカットのみ。

その理由はというと…

ダイヤモンドのカット評価は「ダイヤモンドの輝き」を評価するのが目的です。

ラウンドブリリアントカットが輝きを引き出すのを目的としているのに対し、その他のファンシーカットダイヤモンドは輝きよりも、その形を楽しむことを目的としており、そもそも目指す地点が違うのです。

形を楽しむためのファンシーカットダイヤモンドを、輝きで評価するのはナンセンスなのでカット評価は行わないことになっているのですね。

(ややこしくなるので割愛しますが、ファンシーカットダイヤモンドもポリッシュ(研磨)とシンメトリー(対称性)のみ評価されます)

婚約指輪で選ばれるトリプルエクセレントとは

ダイヤモンドのカット評価は、シンメトリー(対称性)とポリッシュ(研磨状態)を評価したうえで、プロポーション(理想的なラウンドブリリアントカットの数値にどの程度適合しているか)を機械で測定し、最終的なカット総合評価を出します。

この3つがすべてExellent評価のダイヤモンドを通称「トリプルエクセレント」と呼びます。トリプルエクセレント評価のダイヤモンドは高額買取の対象となります。一般的にダイヤモンドをトリプルエクセレントにカットすると、原石から3分の1ほどの大きさになってしまうと言われています。トリプルエクセレントのダイヤモンドの陰には、削られたダイヤモンドがいるのですね。

トリプルエクセレントのダイヤモンドはさすがの輝きです。

婚約指輪では、トリプルエクセレントのダイヤモンドが選ばれることが多いようです。

婚約指輪で縁起のいいハート&キューピッドとは

ダイヤモンドが理想的なラウンドブリリアントカットにカットされたとき、パビリオン側から観察される8つのハートと、クラウン側から観察される8つの矢が見えることがあります。この効果は、Exellentなら必ず見えるもの・VeryGood以下なら見えないものというわけではありませんが、ハート&キューピッドが出るダイヤモンドは美しくカットされているダイヤモンドと言ってよいでしょう。

ところで、ハート&キューピッドという言葉は馴染みがある方も多いと思いますが、ハート&アローや華標(はなしるべ)という言葉を耳にしたことがあるでしょうか?

言葉は違いますが、すべて同じ内容を指しています。ハート&キューピッドはCGL(中央宝石研究所)、ハート&アローはGIA、華標はAGT(ジェムラボラトリー)がそれぞれ商標登録しています。CGLの登録商標、ハート&キューピッドが無償公開されているため、一般的にはハート&キューピッドと呼ばれることが多くなっています。

ハートとキューピッドという縁起の良い響きから、婚約指輪ではハート&キューピッドの出るダイヤモンドを選ぶ方が多いようです。

世界で一番硬いダイヤモンドをカットする方法

最後に、ダイヤモンドは世界で最も硬い物質というのは有名な話です。よくテレビなどでもダイヤモンドを重機で踏みつぶしても壊れなかった!などの特集をしていることがありますね。それでは、そのように硬いダイヤモンドはどのようにカットされているのでしょうか?

ダイヤモンドはダイヤモンドの粉であるダイヤモンドパウダーを使用してカットされます。円盤にダイヤモンドパウダーをオイルで塗り、高速回転させ、ダイヤモンドを押し付け、一つ一つファセット(ダイヤモンドのカット面のことです)をつけていきます。小さなダイヤモンドの一つ一つのファセットを少しずつ確認しながら、手作業でカットしています。

なお、ダイヤモンドは硬く丈夫であることは確かですが、劈開性というある方向に割れやすい性質を持っています。先のとがったものでダイヤモンドの表面をこすりつけるような動きには大変強いのですが、何かにぶつけたときなど当たり所が悪いとパキンと割れてしまうこともありますので、取扱にはご注意くださいね。

まとめ

ダイヤモンドのカット評価の基本について解説しました。今回解説したカット評価も含めダイヤモンドの4Cはとても奥が深く、簡単に判断することはできません。

大切なダイヤモンドを買取店に持ち込む際は、ダイヤモンドに対して正しい知識のある買取店を選ぶことが何よりも重要です。

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